top of page

【和訳・解説】"MODERN JAM (feat. Teezo Touchdown)"- Travis Scott|UTOPIA

  • 執筆者の写真: T.Y
    T.Y
  • 2024年9月9日
  • 読了時間: 6分

UTOPIAからトラック3、"MODERN JAM"を紹介する。分かる人は分かると思うが、かなりKanye Westを意識した構成になっている。彼のカニエ愛は確かなもので、UTOPIAのリリースツアーに彼を呼びよせたこともある。謎多き存在であるTeezo Touchdownが参加していることも印象的である。



・この曲が気に入った人はKanye Westの"Yeezus"も聞いてみることをお勧めする。

[Intro: Travis Scott]

Yeah-yeah, yeah-yeah, turn it up, my headphones

音量をあげるんだ、俺のヘッドフォンの


To the maker, vibrator

創造主よ、震えるものよ


Roof shaker, earthquaker

天井を揺らすものよ、地震を起こすものよ


Annihilator

破壊者よ


Yeah


[解説]

・イントロは上位存在に捧げられたものであるようだが、Kanye Westに対してのメッセージだとする意見が多い。自分の音楽の根底に彼がいるのなら、彼を神として見るのもおかしくはないのかもしれない。


[Verse 1: Travis Scott]

Baby, please get off the 'Gram

ねぇ、インスタグラムはやめてくれないか


I like you better in the stands

君が観客席にいる方が好きなんだ


I upgrade my only fan

俺のたった一人のファンを更新した


[解説]

・ここではInstagramで活動する女性、いわゆるインフルエンサーという存在について言及している。自分のファンとしての彼女が好きなのであって、そういった活動に対しては否定的な態度が読み取れる。

・"only fan"は文字通りOnlyFansのことを暗示している。OnlyFansは個人が運営できるサブスクリプションプラットフォームであり、性的なコンテンツで一儲けしようとする女性が多く存在する。


It do or don't need a cam'

カメラは必要だったりじゃなかったり


This right here my new modern jam

目の前のこれが俺の新しいモダンジャムなんだ


I'm on fire, the new burnin' man

俺は炎上中、燃え盛る男


She paid to view, that's an on-demand

あの子は閲覧数のために金を払ってる、オンデマンドだな


Hey, Guy-Man, brought him home from France

やぁ、ガイ・マン、彼をフランスから連れてきた


This shit punk, put it on the Bible

こいつはパンクだな、聖書に載せてやる


[解説]

・閲覧数のために金銭を支払うというのは特段特殊なことでもなく、Youtubeの再生数などを買っていることがバレた事案はよく耳にする。そういった産業に需要、ディマンドがあるという事実を、オンデマンド方式と絡めて皮肉っているのだ。


・Guy-ManはDaft Punkのメンバーで、黒と金の宇宙飛行士のようなマスクを着けている方の人である。彼の名は片割れのトーマス・バンガルテルとともにこの曲にクレジットされている。Kanye Westの"On Sight"も彼らが制作に携わった。


I like a bi girl on a bi-cycle

バイの女の子が自転車に乗ってるのが好きだ


Then I bought a car, now she feel entitled

で俺は車を買ったんだ、彼女は当然のように思ってる


My dick so hard, pokin' like the Eiffel

俺のアソコは超硬い、エッフェル塔みたいに突いてやる


I just need the world, I ain't hard to please

ただ世界が欲しい、割とすぐ満足するさ


[解説]

・割としょうもないことを言っているが、どこか聞き覚えがあるように思える。そう、この部分はKendrick Lamarの"Backseat Freestyle"のhookから着想を得ている。




Way I keep the knowledge, think I'm Socrates

俺は知識を蓄えてる、自分がソクラテスのように思えてくるよ


I got 'em levitatin' way off their knees

奴らを膝から崩れ落ちさせてやった


The way I make it jump, I make it hard to breathe, it's like

ジャンプさせて、息をするのも苦しい、それはまるで


[Chorus: Travis Scott]

Bright, tight

眩しく、タイトに


The annihilator, forever favor

破壊者、永遠の寵愛


True upgrader, you a shaker

真実の改善者、あなたは揺らすもの


Car breaker

車を壊すもの


[Verse 2: Travis Scott]

Baby, don't you know I got to go?

ベイビー、俺はいかなきゃ


Got the glow and it got to show

輝きを得てそれを示さないと


Know it's been a year since I seen the road

俺が道を見据えてから1年が経ったらしい


Had me inside like I'm on parole

仮釈中かのように内側に囚われてた


I'm outside like I'm on patrol

今はパトロールするみたいに外へ出ていく


I hear the zeitgeist, now I'm in the zone

時代精神に触れた、俺はゾーンに入ったぞ


[解説]

・"zeitgeist"というのはなかなか耳なじみのない言葉であるが、ドイツ語由来の語でその時代に普遍的に広がる倫理や考え方のことを示すようだ。自分の音楽で時代を形作る、という意味もあるだろうし、時代の潮流をとらえるような視点を持っているというアピールでもあるだろう。


You know they say you up when you finally free

自由になれて初めて皆は認め始める


It won't feel right if it's only me

俺一人ってのもしっくりこない


If you're scared, nigga, say your grace

怖いなら、恵みの言葉を口にしてみろ


I got the formula like I own the race

俺がレースを主催してるみたいに必勝法があるんだ


I got the keys with me like I own the place

俺が場所を支配してるみたいに鍵を持ってるんだ


If these niggas on top, then I'm outta space

あいつらがトップっていうんなら俺は宇宙空間にいるはず


I'd rather spend it on you than on Uncle Sam

アンクル・サムよりは君に費やしたい


[解説]

・"formula"は決まりきったやり方、公式などという意味を持つ単語だが、F1を代表するようなカーレースに用いられる流線形をしたドライバーとタイヤが剥き出しのカータイプを指す言葉でもある。

・2018年、彼は育ちの町であるテキサス州ミズーリシティの式典に出席し、鍵状のトロフィーを授与された。


・Uncle Samはアメリカ全体を擬人化したような存在で、星条旗を模したシルクハット、白髭、青いスーツが特徴的である。国家権力に金を渡すよりは、君に使ってやりたいということである。


Give this shit my all but don't give a damn

俺のすべてをくれてやるが気にもしない


Even in the winter, it's a summer jam

冬の間も、これはサマー・ジャム


I told her buckle up 'cause it's goin' down, it's like

ずり落ちるから、バックルを上げろって彼女に言ったんだ、それはまるで


[Chorus: Travis Scott]

Bright

光り輝く


Truth breaker, heartthrob, baby

真実を破壊する者、憧れの的、ベイビー


Feather skater, you true raider

翼のスケーター、本物の侵略者


Daka-doo-doo-da-da


[Verse 3: Teezo Touchdown]

Uh-uh, I know you're lyin'

君が嘘ついてるって分かってる


Outside waitin' in the line

外で列に並んで待ってる


Gettin' dough one at a time (Oh)

一つずつ金を稼いでる


Uh-uh, I know you're lyin'

君が嘘ついてるって分かってる


Outside waitin' in the line

外で列に並んで待ってる


Gettin' dough one at a time (Oh)

一つずつ金を稼いでる


Bounce, baby, I'm in the buildin', baby

跳ねるんだ、俺はここにいるぜ


Do it, baby, you got my consent, baby

やるんだ、君にくぎ付けさ


Oh, this the remix, oh, this the remix

これがリミックス、これがリミックスなんだ


Before she let me in, she gotta pat me down

部屋に入れてくれる前、彼女は俺に身体検査をしなきゃなんなかった


Before she let me in, she gotta pat me down

入れてくれる前、俺に身体検査をしなきゃなんなかった


[解説]

元々このビートはKanye WestのYeezusに収録されている"I Am A God"のデモバージョンに使われていたものであった。




[Outro: Travis Scott]

The annihilator

破壊者


Forever favor

永久の寵愛

"Modern Jam"を紹介した。モダンという言葉をそのまま曲にしたような無骨さ、無機質さが印象的だった。


 
 
 

コメント


bottom of page