top of page

【和訳・解説】"Backseat Freestyle" - Kendrick Lamar|good kid, m.A.A.d city

  • 執筆者の写真: T.Y
    T.Y
  • 2月24日
  • 読了時間: 8分

更新日:3月10日



ケンドリック・ラマーの2ndアルバムgood kid, m.A.A.d cityから3トラック目は"Backseat Freestyle"。これまでのトラックとは異なりかなりボースティングの振りまかれた俺様的な一曲になっている。


[Intro]

Uh, Martin had a dream

マーティンには夢があった


Martin had a dream

マーティンには夢があった


Kendrick have a dream

俺にだって夢がある


[解説]

・マーティンというのはマーティン・ルーサー・キング・ジュニア、つまりキング牧師として知られる人物のことで、その有名なスピーチの一句である「I have a dream」をもじっている。


[Chorus]

All my life, I want money and power

この人生は金と力を得るためのもの


Respect my mind or die from lead shower

俺を敬うか、鉛の雨に死ぬかだ


I pray my dick get big as the Eiffel Tower

俺のイチモツがエッフェルタワーぐらいデカかったら


So I can fuck the world for seventy-two hours

世界を72時間気持ちよくしてやるのにな


[解説]

・銃弾の主な素材は鉛であり、自分に歯向かう人物には容赦しないことが語られる。後半のリリックは本人によると16歳のときに思いついたものらしく、若かりしころの彼の無知で粗野な部分がうまく表現されている。


[Verse 1]

Goddamn, I feel amazin', damn, I'm in the Matrix

なんてこった、超いい感じだぜ、マトリックスの中にいるみたいだ


My mind is livin' on cloud nine and this 9 is never on vacation

天にも昇る気持ちだぜ、でもこの銃は片時も手放せない


Start up that Maserati and, vroom, vroom, I'm racin'

マセラティのエンジンをかけて、ブンブン言わしてやるぜ


Poppin' pills in the lobby and I pray they don't find her naked

玄関でクスリをキメる、あいつらが全裸の彼女を見つけないといいけど


[解説]

・マトリックスの世界では現実世界はコンピュータが作りだした仮想世界として描かれる。仮想のものでしかありえないほど有頂天になっているのだ。(そんな中でも銃を手放せないということは彼のおかれた環境が厳しいものであることを示している)また、マトリックスの作中で印象的な赤いカプセルと青いカプセルという要素も薬物を暗示するものとして利用されている。


And I pray you niggas is hatin', shooters go after Judas

お前らが俺を嫌ってること願ってるよ、ユダにはヒットマンを送らないとな


Jesus Christ, if I live life on my knees, ain't no need to do this

イエスキリストよ、俺が敬虔に生きてたなら、こんなことしなくてもよかったろう


Park it in front of Lueders, next to that Church's Chicken

リューダースの前に停めろ、チャーチズチキンの隣だ


All you pussies is losers, all my niggas is winnin', screamin'

お前ら皆弱虫の負け犬だ、俺らが勝ち誇って叫ぶんだ


[解説]

・ユダというのはキリスト教の12使徒のうちの一人で、キリストを裏切り磔刑に導いた人物として知られる。自分を嫌うものや影で裏切ろうとするものには容赦はない。


・リューダースというのはコンプトンに位置する公園で、隣には確かにチキンのファストフードチェーンであるチャーチズ・チキンの店舗がある。"Church"というのも教会という意味であり、キリストやユダといったワードとのつながりを感じられる。


[Chorus]

All my life, I want money and power

この人生は金と力を得るためのもの


Respect my mind or die from lead shower

俺を敬うか、鉛の雨に死ぬかだ


I pray my dick get big as the Eiffel Tower

俺のイチモツがエッフェルタワーぐらいデカかったら


So I can fuck the world for seventy-two hours

世界を72時間気持ちよくしてやるのにな


[Post-Chorus]

Goddamn, I got bitches (Okay), damn, I got bitches (Okay)

なんてこった、あっちにも女、こっちにも女


Damn, I got bitches (Yeah), wifey, girlfriend, and mistress

尻軽に、人妻に、彼女も、女王様だって


All my life, I want money and power

この人生は金と力を得るためのもの


Respect my mind or die from lead shower

俺を敬うか、鉛の雨に死ぬかだ


[Verse 2]

I got twenty-five lighter on my dresser, yes, sir

タンスの中には25個のライター


Put fire to that ass, body cast on a stretcher

ケツに火をつけてやるよ、ストレッチャーに載せてやんないと


[解説]

・ライターを必要以上に持っていることに疑問を覚えるが、ディーラーは薬物を隠すためにライターの中に入れておくことがよくあるらしい。


And her body got that ass that a ruler couldn't measure

あの子のお尻は計測不能なんだ


And it make me cum fast, but I never get embarrassed

長く持ちやしないけど、恥ずかしくなんてないさ


And I recognize you have what I've been wantin' since that record

俺が待ち望んでたものを君に見出したんだ、あのレコードで


That Adina Howard had, pop it fast to impress her

アディーナ・ハワードに感じたものさ、カッコつけて速めに打ち付けたよ


[解説]

・アディーナ・ハワードは90年代半ばに活躍した女性シンガーで、性的な魅力を感じさせるようなリリックが特徴。彼が遊んでいる女の子にも、そういった魅力があるのだろう。


She rollin', I'm holdin' my scrotum, imposin'

彼女は目を回して、俺はタマキンを掴んでた、まだ頑張れるって


This voice here is golden, so fuck y'all, I goes in, and

この声は黄金なんだ、お前らなんてどうでもいい、始めようぜ


[Chorus]

All my life, I want money and power

この人生は金と力を得るためのもの


Respect my mind or die from lead shower

俺を敬うか、鉛の雨に死ぬかだ


I pray my dick get big as the Eiffel Tower

俺のイチモツがエッフェルタワーぐらいデカかったら


So I can fuck the world for seventy-two hours

世界を72時間気持ちよくしてやるのにな


[Post-Chorus]

Goddamn, I got bitches (Okay), damn, I got bitches (Okay)

なんてこった、あっちにも女、こっちにも女


Damn, I got bitches (Yeah), wifey, girlfriend, and mistress

尻軽に、人妻に、彼女も、女王様だって


All my life, I want money and power

この人生は金と力を得るためのもの


Respect my mind or, nigga, it's go time

俺を敬うか、わかるよな、もう行く時間だ


[Verse 3]

I roll in dough with a good grind

いい仕事をして金を稼いでる


And I run that ho with a baton

バトンを持って女を目掛け走ってる


That's a relay race with a bouquet

ブーケ付きの出来レース


[解説]

・doughというのは現ナマという意味のあるスラングである。そのほか、rollやgrindは葉巻を吸うことに関連する意味を持つ単語である。


・ブーケは普通勝者に与えられるものだが、リレーをする前から誰が勝者かは決まっているようだ。また、ブーケトスという意味でこの後の結婚のラインと繋がるところがある。


They say, "K, you gon' marry mines"

皆いうんだ、「K、あんたは私と結婚するのよ」


Biatch, no way, biatch, no way

このビッチ、なわけねぇだろ、このビッチ、なわけねぇだろ


Biatch, no way, biatch, okay

ビッチが、なわけねぇだろ、このビッチが、わかったか


I'm never livin' life confined

この人生は何者にも邪魔させない


It's a failure even if I'm blind

何か見過ごすのさえいけないんだ



[解説]

・彼はコンプトンで名を上げ始め多くの女性に言い寄られることになるが、尻が軽いだけで中身のない女には興味はわかないようだ。それどころか、そうした女性に引っかかり、それ以上を望めないことすら失敗とみなしている。


I can tell you who, what, when, where

お前が誰で、何を、いつ、どこでしたかも全部言える


How to sell your game right on time

どうやって駆け引きを思い通りやってのけるかもな


Biatch, go play, biatch, go play

ビッチ、行って来いよ、ビッチ、行って来いよ


Biatch, go play, biatch, I look like O.J.

ビッチ、行って来いよ、ビッチ、俺はOJみたいな男で


Killin' everything from pussy to a motherfuckin' Hit-Boy beat

女どもからヒット・ボーイのビートまで何でもヤっちまえるんだ


She pussy poppin' and I got options like an audible, I be

彼女も興奮してるよ、クォーターバックばりにいくらでも戦略を練ってるんだ


[解説]

・OJはOJシンプソンのこと。彼は有名なアメリカンフットボール選手だったが、妻とその友人の殺人容疑で起訴された。刑事裁判では無罪判決を勝ち取ったが、一般的に悪名高い人物として知られる。killin' the beatというとビートの上でいいパフォーマンスをするという意味になり、殺人とクオリティの高いラップをするという行為がかけられたラインになっている。


・call an audibleというのは、アメフトの試合においてクォーターバックの選手が声で周りのプレイヤーに作戦を伝える(アメフトは戦略が非常に大事なスポーツであり、事前にセットアップを組む場合が多い)という意味であり、彼は女性を気持ちよくする方法をいくつも知っているほか、これからのビジネス的な立ち振る舞いにも多くのビジョンがあるということだ。


C-O-M-P-T-O-N, I win, then ball at your defeat

C-O-M-P-T-O-N、俺の勝ちだ、煽ってやるよ


C-O-M-P-T-O-N, my city mobbin' in the street, yellin'

C-O-M-P-T-O-N、この街の皆が通りで叫ぶんだ


[Chorus]

All my life, I want money and power

この人生は金と力を得るためのもの


Respect my mind or die from lead shower

俺を敬うか、鉛の雨に死ぬかだ


I pray my dick get big as the Eiffel Tower

俺のイチモツがエッフェルタワーぐらいデカかったら


So I can fuck the world for seventy-two hours

世界を72時間気持ちよくしてやるのにな


[Post-Chorus]

Goddamn, I got bitches (Okay), damn, I got bitches (Okay)

なんてこった、あっちにも女、こっちにも女


Damn, I got bitches (Yeah), wifey, girlfriend, and mistress

尻軽に、人妻に、彼女も、女王様だって


All my life, I want money and power

この人生は金と力を得るためのもの


Respect my mind or die from lead shower

俺を敬うか、鉛の雨に死ぬかだ


[Outro]

Let it run, Ali

続けろ、アリ


Martin had a dream

マーティンには夢があった


Martin had a dream

マーティンには夢があった


Kendrick have a dream

俺にだって夢がある


車に乗り込み友達と気分よくフリースタイルを披露するケンドリック、花開き始めたキャリアを誇示するようなリリックからは彼の感じる全能感がひしひしと伝わってくる。









Comments


bottom of page