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【和訳・解説】"Big Poe" - Tyler, The Creator|Don't Tap The Glass

  • 執筆者の写真: T.Y
    T.Y
  • 7月24日
  • 読了時間: 8分

なんか知らない間に出ていた"Don't Tap The Glass"。トラック1"Big Poe"を紹介します。

[Intro: Tyler, The Creator]

Welcome

ようこそ


Number one, body movement (Funky)

一つ、身体を動かせ


No sitting still (Dance, bro)

じっとしてるのは無しだ


Number two (Hahahaha), only speak in glory (Yeah)

二つ、ゴージャスに語れ


Leave your baggage at home (None of that deep shit)

お荷物は家においてこい(深い話はいらない)


Number three (Nigga), don't tap the glass

三つ、ガラスをつつくな


Roked roked roked l'elohim


Roked roked roked m'elohim


[解説]

・この3つのルールはアルバムの重要なテーマを成していると思われます。前作Chromakopiaで真面目にやりすぎたという彼の焦りが垣間見えるし、それは制作のスパンからも分かると思いますが。このルールはこのアルバムの特設サイトでもでかでか書かれていますね。


・最後のチャントの部分は、RadioheadのリードギタリストであるJohnny Greenwoodがインド音楽をベースに作り上げた"Junun"に収録されている"Roked"から来ているらしいです。(恥ずかしながら初耳だった)イスラエルの作曲家を招いており、これ自体はヘブライ語で、踊れ!という意味だそう。




[Verse 1: Tyler, The Creator]

Burn this shit down, turn this shit up

こいつは焼き払って、こっちを上げるんだ


I don't consent, I don't give fucks

首は縦には振らない、全く興味もないし


You on my dick, nigga, get up

俺にまたがってるお前、しゃんとしな


Wipe your lips off while I zip up, huh

唇拭いとけよ、俺がチャック上げるまでにな


I'm a sick pup, girl, I'm nasty

俺は病気持ちの犬ころ、下品なやつさ


Eat the creampie in the back of the backseat

後部座席のその後ろでクリームパイを平らげる


Yellow diamonds, Black skin, I'm taxi

黄色いダイヤに黒い肌、タクシーみたいだろ


You can run all you want, nigga, you can't catch me

好きなだけ走りゃいいさ、俺には追い付けない


[解説]

・深い話は無し、と言った通り性に奔放な彼が全面に出されたバースです。Chromakopiaでさらけ出してしまった部分を否定したいことが伝わります。


・色付きのダイヤは高級品で、彼の富を示すフレーズです。また米国のタクシーは黄色に黒字のロゴが入っていると相場が決まっていて、その配色からの比喩になっています。「乗る」「走る」という行為とも関連していそうですね。

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[Chorus: Tyler, The Creator]

Big Poe, huh, nigga (Ayy)

ビッグ・ポーだ


I'm Big Poe, huh, nigga (Ayy)

俺はビッグ・ポーだ


I'm Big Poe, huh, nigga, bitch (Ayy)

俺はビッグ・ポーだ


I'm Big Poe, huh, slim (Ayy)

俺はビッグ・ポーだ


[解説]

・彼のアルバムはどれもオルターエゴという配役があることが特徴ですが、(Chromakopiaは例外)今回はBig Poeだそうです。でっかいチェーンもマスキュリンな感じがしますね。

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[Verse 2: Tyler, The Creator]

I hate lightskin niggas, on my mama

色の薄い奴らは嫌いだ、ママに誓って


I like darkskin bitches like my mama

暗い肌の女どもは好きさ、ママみたいな


I like lightskin bitches like my daddy

でも色の薄い女どもも好きなんだ、父さんみたいに


You ain't like that line? Not my problem

このラインは気に入らないって?知ったこっちゃないね


[解説]

・結構攻めたラインですが、これはChromakopiaとは対照的です。"Rah Tah Tah"では直接的な表現に言い淀むユーモアも見せましたが、このアルバムにはそんな枷はないことが確認できます。


I'm on the plane, tryna fuck her lip off

飛行機に乗って、こいつの唇を吹き飛ばそうとしてる


Switch off, sit on my face, gimme lip gloss

おしゃべりはやめて、顔に乗れ、グロスを寄こすんだ


The tint off, that's not a G5, take that kit off

ティントも落ちてる、G5でもないんだから、その装備外しな


Right now, I'm Mario, pipe down

今だ、俺はマリオ、パイプを下ってく


[解説]

・車ではなく飛行機の話を出すのは意外ですが、G5というのはGulfstream Vというプライベートジェットを指す略語です。ティントというのは窓に施されるスモーク(車の後部座席が外から見えない奴)を指すと思われますが、リップティントというコスメもあってそれもかかっていそうです。


・G5じゃない、というのは「G5級の女でもないんだから猫被ってんじゃないぞ」と「G5にはなれないんだから無理はやめとけ」という二つの解釈ができると思います。マリオの比喩が出てきたのはうれしいですね。


[Chorus: Tyler, The Creator]

Big Poe, huh, nigga (Ayy)

ビッグ・ポーだ


I'm Big Poe, huh, nigga (Ayy)

俺はビッグ・ポーだ


I'm Big Poe, huh, nigga, bitch (Ayy)

俺はビッグ・ポーだ


I'm Big Poe, huh, slim (Ayy)

俺はビッグ・ポーだ


[Verse 3: Pharrell Williams]

Mm, I'm in Paris, where it rains

今パリ、雨が降ってる


Married to the game, forty carats in the rings

ラップゲームが恋人で、指輪は40カラット


And what you drive, you can't compare to the chains

お前が乗ってる車も、このチェインからすれば安物だ


Told my 'countant hurry up with the plane

会計士に飛行機の件急ぎでって言ったところだ


G700, on the globe with eight thousand

G700、80億で地球を飛び回る


Those are extended with the miles in

航続距離はアップデート済みさ


Virginia, Florida, France is the housing

ヴァージニア、フロリダ、フランスが俺のおうち


I got a bunch of wolves, they all down big

狼の群れも一緒、全員ガッツリ構えてる


[解説]

・Chromakopiaでも師匠的ポジションで出てきたPharrell。自分の富を見せびらかすラインです。G700というのはG5よりもっとすごいプライベートジェットで、80億円するらしいですが想像つきません。航続距離のラインは飛行機を改良しているという意味でもありますが、その後の拠点の部分からも自分の勢力が及ぶ範囲が拡大しているという認識で間違いないでしょう。

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・普通こういう仲間を盛り立てるときはdawgやdogを使うものですが、Tyler, The Creatorが発起人であり中心メンバーであった"Odd Future Wolf Gang Kill Them All"からwolfを使っていると思われます。


[Chorus: Tyler, The Creator]

Big Poe, huh, nigga (Ayy)

ビッグ・ポーだ


I'm Big Poe, huh, nigga (Ayy)

俺はビッグ・ポーだ


I'm Big Poe, huh, nigga, bitch (Ayy)

俺はビッグ・ポーだ


I'm Big Poe, huh, slim (Ayy)

俺はビッグ・ポーだ


[Verse 4: Tyler, The Creator]

No cell phone, this a dead spot (Huh, huh)

携帯はなし、ここはデッド・スポットだ


You sneak photos, get your hands chopped (Huh, huh)

写真をかすめ撮るなら、手を切り落としてやる


You weird as fuck, nigga, I said stop (Huh, huh)

お前が変なんだぞ、俺はやめろって言ったのに


[解説]

・このアルバムで初めてメインテーマに関わる部分だと思います。Chromakopiaの"Noid"が分かりやすいですが彼は付きまとうファン?の存在に悩まされてきました。このアルバムのリスニングパーティーは記録を残せるもの一切なしで行われたそうです。


・フリーWifiのことを"hot spot"と呼びます。"dead spot"はその対極で、そうした通信が一切行われていない場を表していますね。多分彼の考えではここが一番ホットなところです。


I don't trust white people with dreadlocks

ドレッドしてる白人なんか信用できるかよ


Big dog ball over here, Sandlot

デカい犬、ボールはすぐそこに、あの空き地で


I'm swimmin' in the green, I'm a ham hock (Bro)

緑の海を泳いでる、ハム・ホックになった気分だ


I'll get the metal ringin' like a can top, pop

金属音がすごいや、缶が弾けてるみたいだな


[解説]

・ドレッドヘアの白人に対してライブ中に苦言を呈したことがあります。


・ballというのは余裕をもって楽しむみたいな意味があり、Big dogというのは多分Big Poeのことだと思うのですが、Sandlotという一言でそこに意味が付加されてます。同名の映画があって、簡単にいうと大谷翔平のサインボールが雷親父の庭に入っちゃって取りに行く、みたいなストーリーです。その中で「ビースト」と呼ばれるマスティフ犬が脅威となるのですが、タイラー自身もファンにとって親しみ深い存在ではなくあくまで「ビースト」側だということがほのめかされています。

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・緑の海はドル紙幣を、金属音はセント硬貨を想起させる表現です。ham hockというのはハムよりちょっと上の部分を使った肉加工品で、Collard Green With Ham Hockというカラードグリーン(野菜)とハムホックを混ぜた料理が存在します。


[Bridge: Busta Rhymes]

Don't this shit make a nigga wanna (Jump, jump)

これ聞くとしたくなるだろ?(Jump, jump)


Don't this shit make a nigga wanna (Jump, jump)

これ聞くとしたくなるだろ?(Jump, jump)


Don't this shit make a nigga wanna (Jump, jump)

これ聞くとしたくなるだろ?(Jump, jump)


Don't this shit make a nigga wanna (Jump, jump)

これ聞くとしたくなるだろ?(Jump, jump)


Don't this shit make a nigga wanna (Jump, jump)

これ聞くとしたくなるだろ?(Jump, jump)


(Jump, jump)


(Jump, jump)


(Jump, jump)


[解説]

・このブリッジはBusta Rhymesの"Pass the Courvoisier Part II"から。


[Verse 5: Pharrell Williams & Tyler, The Creator]

And they got bitches that want poundin'

あいつらはヤりたいだけの女をゲットしたみたいだ


Ho niggas, broke niggas, shouldn't allow 'em

アバズレも、貧乏人も、許しちゃおけない


The diamond's most brilliant when it's rounded

ダイヤは丸くカットしてこそ輝くんだ


You niggas don't talk to your accountant (Ayy)

お前らは会計士とかわかんないよな


[解説]

・ラウンドカットダイヤは皆が知ってるあのブリリアントカットとほとんど同じです。その前のラインのシャバ僧たちと比べて自分が研ぎ澄まされていることを言ってますね。


・会計士のラインは前のバースでも登場しました。

Hoppin' out of baby mamas' cars clownin' (Ayy)

カキタレの車で調子こいてんじゃねーよ

 

You ain't with the bullets flyin'? Get down then (Ayy)

銃弾飛び交うなかに飛び込むタマじゃないだろ、下がってろよ


They ain't tell you 'bout this drip? Nigga, drown then (Ayy)

こんなファッション知らないだって?溺れとけよ


Oh, what, you wanna get loud then?

あぁ、目立ちたいんだな?


Huh, fuck around and get found then

じゃあ自分で走り回って見つけてもらえよ


I like crewnecks, polos, and chinos

クルーネックにポロシャツ、チノパンでキメる


A mouth full of rocks like Dino

口ン中はディノみたいに宝石で満タン


Yellow diamonds, ask Jacob, nigga, he know

イエローダイヤならJacobに聞けよ、奴なら分かってる


[解説]

・クルーネックとかポロシャツはファレルが好んで着用するアイテムです。Dinoが誰かは定かではないですが、歯に着用するアクセサリであるグリルのことを言ってます。Jacobというのは宝石店のJacob & Co.のことです。イエローダイヤのくだりはタイラーも引き合いに出してましたね。


[Outro: Pharrell Williams]

Roked roked roked l'elohim (Nigga, he know, nigga, he know)


Roked roked roked m'elohim (Nigga, he know, nigga, he know)


Roked roked roked l'elohim


Roked roked roked m'elohim


というわけでトラック1"Big Poe"でした。トラック2はSugar On My Tongueに続きます。

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