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【和訳・解説】"Feel Like Summer" - Childish Gambino

  • 執筆者の写真: T.Y
    T.Y
  • 2024年6月10日
  • 読了時間: 3分

更新日:2024年7月6日


Childish Gambinoのシニックなサマーチューン"Feel Like Summer"を紹介します。カゲロウの漂う8月の路上をステージとしたMVです。彼が何を言おうとしているか、一緒に見ていきましょう。

[Chorus]

You can feel it in the streets

ストリートに漂ってる


On a day like this, the heat

こんな日には、熱が


It feel like summer

夏みたいだな


I feel like summer, I feel like summer

夏かと思ったよ


You can feel it in the streets

君も感じるだろう


On a day like this, the heat

こんな日にはさ、熱を


I feel like summer

夏かと思ったよ


She feel like summer

彼女もそう言ってる


This feel like summer

ほんと夏みたいだ


I feel like summer

夏かと思ったよ


[解説]

summer packのジャケット



2018年7月11日、Childish GambinoはEPであるSummer packを発表しました。名前通り夏を感じさせる2曲が収録されています。





MVが公開されたのはそこから2か月後の9月です。彼がテーマにしたのは「夏」ではなく年々厳しくなる「残暑」だったのです。彼はこの曲が収録されていた3.15.20というアルバムでも迫りくる人類の限界に対する懸念を表明しており、この曲は地球温暖化に向けて歌われたものであることがうかがえます。


[Verse 1]

Seven billion souls that move around the sun

70億のいのちが太陽の周りを回ってる


Rolling faster, fast and not a chance to slow down

速く、より速く回っていって減速したりはしない


Slow down


Men who made machines that want what they decide

自分のいうことを聞く機械を作る人たち


Parents tryna tell their children please slow down

親は子供に頼むから減速しろって言ってる


Slow down


[解説]

現在人口は80億人を突破し、なお増え続けています。彼は終わりは見えてきているとの考えを持っており、そのスピードが上がり続けていることもさしています。


(最新アルバムのAtavistaにもかなりリンクする曲がありますので是非曲と一緒に訳をご覧ください!)

https://kujpntranslation.wixsite.com/monolingo/post/【和訳・解説】-atavista-childish-gambino-ハブページ


"machines"はもちろん文字通りの機械という意味でもありますが、指導者たちが自分の思うように民衆を操作する、という裏の意味が隠されていますね。親は子供たちには焦って大人になることはないと述べていますが、ここには世代間倫理(後の世代が直面する環境的責任について考えるもの)の考え方が隠されています。


[Refrain]

知ってる


君がこの痛みをわかってると思ってる


世界が変わることを望んでいるけど


ずっとおんなじように思うんだ


同じようにね


[解説]

地球温暖化はかなり大きな問題であり、性格に把握するためには巨視的な視点が不可欠だといえます。ですがその性質上変化が常時感じ取れるわけではなく、自分自身の問題でもあると考えにくいのです。そうした状況は、行動に移そうとしている人たちの声もかき消してしまうことに繋がります。


[Chorus]

You can feel it in the streets


On a day like this, the heat


It feels like summer


(I feel like summer)


I feel like summer


(I feel like summer)


I feel like summer


[Verse 2]

Every day gets hotter than the one before

毎日暑くなり続けてる


Running out of water, it's about to go down

水は足りないし、もっと減っていくだろうな


Go down


Air that kill the bees that we depend upon

空気が大事なハチたちを殺していく


Birds were made for singing

鳥は歌うために生きてるのに


Waking up to no sound

起きても何も聞こえない


No sound

何も


[解説]

現在も人類の半数以上が水不足に直面しており、地球温暖化と人口増加が進むごとにその程度も悪化していくことが予想されています。


気候変動や農薬の過剰な使用により、ハチ(特にミツバチ)の個体数が激減しています。ミツバチは植物の受粉に大いに貢献しており、もしこのまま減少が進めば農業は深刻なダメージを受け、再起不能になってしまうといわれています。同様に鳥も数を減らしており、"Waking up to no sound"の部分はレイチェルカーソンの環境汚染批判である「沈黙の春」を連想させます。


レイチェル・カーソン




だが、今は物音ひとつしない。

野原、森、沼地――皆黙りこくっている。


[Refrain]

I know

知ってるよ


Oh, I know you know my pain

君が俺の痛みをわかってくれてるって


I'm hopin' that this world will change

この世界が変わってほしいと願っているけど


But it just seems the same

どうも同じように見えるんだ


I know

知ってるよ


Oh, I hope we change

俺たちが変わっていかないと


I really thought this world could change

実際この世界は変えられると思ってた


But it seems like the same

でもずっと同じなんだ


[Outro]

I know

わかってる


Oh, my mind is still the same

俺の気持ちは変わっちゃいない


I'm hoping that this world will change

世界が変わることを望んでる


But it just seems the same

でもそうもいかないみたいだ


I know

知ってるんだ


Oh, I hope we change

俺たちが変わらないと

こうした問題意識をキャッチーな曲にのせるのが本当にうまい男ですね、彼は。


繰り返しになりますが、こうした意識は最新アルバムであるAtavistaの中にもよく見られます。よろしければ当サイトの和訳を見ながら聞いてみてください。



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