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【和訳・解説】"Hands Up High" or "MID LIFE" - Childish Gambino|Bando Stone and The New World?

  • 執筆者の写真: T.Y
    T.Y
  • 2024年7月6日
  • 読了時間: 8分

この曲は彼がプロモーションの一環として実施した、ラジオ形式でセットリストを後悔する試みである"Gilga Radio"の初回にリークされたものです。新アルバムに加えられるかはわかりませんが、紹介してみようと思います。


Gilga Radio – gilga ← Gilga Radioはこちらから

[Verse]

I haven't heard a peep since his dad passed

父さんが死んでから彼のこと聞かないな


Salt and pepper the beard

ひげは塩コショウみたいになった


Lookin' at stars

星を見つめてる


And never smiles anymore, he just acts sad

もう笑ったりしない、ただ悲しそうにしてる


This nigga rich, I know it couldn't be that bad

こいつは金を持ってる、そんなに悪い暮らしじゃないはずだろ


[解説]

2018年、Gambinoは父親を失うという経験をしました。彼の中でいかに父親が大きい意味をなしていたか、というのはセカンドアルバムである"Because of the Internet"を聞けば一目瞭然です。それ以来彼は表舞台から徐々に姿を消していくことになります。


Midlife, my life was never mid

もう中年、でも俺の人生が半端だったことはなかった


My wife and seven kids

妻と7人の子供たち


They said "See you at the top"

皆「父さんがトップだ」って言ってくれた


But oops, they never did

けどな、本当は違うんだよ


The roof is closed

天井は閉ざされてたんだ


[解説]

彼は3人子供がいると公表しており、歌詞とは不整合があるように思われます。後の4人は、自分が手掛けてきた4つのアルバムのことと解釈すればいいでしょうか。話題となっている2018年、彼は"This is America"をリリースし、本当にトップアーティストだったかもしれないほどの活躍をしていました。しかし、父の死という経験はそれを継続するには重いものだったようです。


That new coupe got seven gears

新しいクーペにはギアが7個


He ride through heaven tears

天に涙を流しながら乗り回してる


The sun, also out that mix of joy and pain

太陽、楽しみと痛みのミックスみたいだ


The colors are not the same

色は皆違う


The rainbow effect

レインボーエフェクトだ


[解説]

太陽光は様々な波長の光が合わさって白いものとなっています。自身の中で渦巻く感情をアナログな光の様子になぞらえているのです。


The child in my name was, oh, so upset

俺の名前にいる子供はかなり焦ってた


He bounce, made me sit alone in timeout and bought a gun

こいつは暴れて、俺を静かに座らせて銃を買った


They can fuck around and find out, he found out

誰でもぶらついて見つけられる、こいつも見つけたんだ


He on the spectrum like rainbow colors

虹の色みたいに情緒不安定なやつなんだ


[解説]

彼は"Child"ish Gambinoであり、Childが文字通り名前に含まれています。ここでは、子供のような脆弱な部分といった意味合いになりますね。


Never forget

忘れないで、


The devil is a angel's brother

悪魔は天使の兄弟なんだ


You tried to make a new world

君は新しい世界を作ろうとしてた


I couldn't change the other

俺は他人を変えることなんてできなかったよ


I took a bite of a peach from my yard

庭の桃をひとかじりした


[解説]

彼は桃を育てる農園を持っているそうです。Gilga Radioでも、彼が育てていると思われるミカンが象徴的に使われています。


It made me wanna thank my mother for dealin' with a

そうするとママが世話してくれたことに感謝したくなったんだよ


Hyperactive, awkward, not attractive, honest, writer, actor, artist

多動で、扱いにくくて、魅力もなくて、言いたいことは言う作家兼役者兼芸術家を


Who hasn't made a piece since his dad passed

父さんが死んでから何も作り出しちゃいないのに


You never know when you'll be hearin' that last laugh , that last hug, that last fight, that last fuck

最後の笑い声、ハグ、喧嘩、セックスがいつかなんてわからない


Tip the Uber Eats driver that last buck

ウーバーイーツの配達員に余ったお釣りを渡す


Two spicy chickens with fries

辛いチキンが2つとポテト


Outside a mansion with no art in it

何の芸術もないマンションから出て


Off of I-85

高速85号線から降りる


The driver asked for a pic, uploaded it

運転手が俺の写真を撮って、アップロードした


They unloaded on the boy, we call it a "Insta snitch"

それは広がっていくんだ、俺たちは「インスタスニッチ」って呼んでる


A "Different rich"

「異なる富」なんだ


[解説]

"i-85"は高速道路を示す記号で、ジョージア(アトランタがある州)を通るものです。

自分の写真が知らず知らず広がっているのはセレブリティたちからすれば日常茶飯事でしょうが、そこまで容易に受け入れられるものでもないようです。それは本当に充実した"rich"な状態とは異なります。


Move to mountains and buy a farm

山際に越していって農場を買う


A white boy took his daughter to prom

白人の男の子が娘をダンスパーティーに誘ったらしい


That shit haram, right?

なんたる禁忌だ、違うか?


The hate his mom type

奴は自分の母親が気に入らない


He should be havin' that crisis, hardly

めったに危機感を覚えたこともない


Hairline touchin' his ears, dressin' like Steve Harvey

生え際は耳まで後退、スティーブハーヴィーみたいだ


[解説]


自身の農場についてまた触れられているのと、年を重ねたことが生え際の話からわかります。スティーブハーヴィーはつるっぱげのおじさんなんですけど。


Goin' to dinner, seamounts

ディナーに行く、海山だ(ここよくわかりませんでした)


Drinkin', playing Jidenna

飲んでるよ、ジデンナがかかってる


“I'm a classic man”

「俺はクラシックなんだ」って


Different colored rings, callin' everybody king

様々な色の指輪、皆を王様って呼ぶ


"Where my hug?" with a glass in hand

「ハグは?」って片手にグラスをもって聞くんだ


[解説]

Jidennaの"Classic man"からワンフレーズ持ってきてますね。パーティーが派手で楽しいものになっている様子が見て取れます。




My father couldn't show me how to get old

親父はどう年を取ったらいいかなんてもう見せてくれない


Maybe they pay you

たぶん皆君に支払うよ


Logo free all of the clothes

ロゴのついた服は一つもない


Maybe the road, shop at the store

多分これが道なんだ、店で買い物


Give fucks less and listen more

あんまり気にしすぎないで人の話をもっと聞こう


Put up 33:4 and kiss the floor

33:4を掲げて、床にキスだ


[解説]

父からの教示の機会を失った彼は、自分なりの生き方を模索しているようです。33:4は恐らく聖書の部分を示すようなのですが、ヨブ記と詩編という2つが存在し、どちらかわかりません。


神の霊がわたしを造り 全能者の息吹がわたしに命を与えたのだ。――ヨブ記33:4


主の御言葉は正しく御業はすべて真実。-――詩編33:4


ただ彼が敬虔な人物であるというのはあまり聞き覚えがなく、他の意味かもしれません。分かった方は連絡ください。


Build a table 'round that peach tree

桃の木の周りにテーブルを作った


Cream from your cow, like, half a cup

牛から乳しぼり、カップに半分くらい


Pull three peaches then cut 'em up

桃を3つ引っ張って切り落とした


A little vanilla, but not too much

バニラを少しだけ、多すぎるのはダメだ


Try to tell me that ain't fresh as fuck?

これが新鮮じゃないなんて誰が言える?


Bought a M3, told your son "Try not to mess it up"

車を買ってやった、「散らかさないようにな」と伝える


My kid's sneaker-prints all over my shit

でもスニーカーの足跡が俺のものにびっしりだ


I'm finding the happiness the older I get

年を取るごとに幸せを見つけてる


I bought my mom's spot with no deposit

担保なしでママに居場所を買ってやった


[解説]

M3はBMWの車種のようです。だんだんと悲しみから立ち直る姿が思い起こされます。


I watch 'em run from themselves, that shit is serious

やつらが自分から逃げるのを見てきた、これは深刻な問題だ


I'm a man who provides, you can't embarrass us

俺は用意周到なんだ、お前じゃ俺らの鼻は明かせない


You shaking hands with these mans because you obligated

お前は義務としてこういうやつらと握手をするんだ


You said we friends, when really we only conversated

お前が俺らを友達っていうのは実際話してるときだけだよな


Music's predatory, still here, you can't ignore me

業界の捕食者だ、まだここにいるぞ、無視なんてさせない


Not everyone's happy for me, that's life

皆が俺にいい思いしてるわけじゃない、これが人生だ


My baby mama's my wife

俺の女は妻になった


And when you do something right

本当に正しいことをしてるとき


It's not a hater in sight

目に映るのはヘイターなんかじゃない


They tried to say he peaked when his dad passed

親父が死んだときにピークが来たって言おうとしてたんだぞ


I need life, not the lifestyle

俺には生き方じゃなくて、人生が必要なんだ


I grow the loud, my neighbor asked me to "pipe down"

俺はうるさくなった、仲間は「静かにしろ」っていう


3 Stacks sayin' "There ain't shit to write down"

Andreは「もう歌詞にすることなんてないよ」っていう


I'd dig that colonoscopy verse

俺は内視鏡のバースでもディグるけどな


[解説]

"3 Stacks"はAndre3000のことです。彼はメインストリームからは姿をくらまし、最後に出したアルバムもラップはせず、自身が持ち歩く「笛」を使ったものとなっていました。彼はインタビューの中で50歳近い年齢であることを踏まえたうえで、ラップにできることがない、内視鏡検査の話でもするか?とジョークを飛ばしていました。


I piss on all of you haters and leave the seat up

お前らヘイターはクソくらえ、席は戻しておくよ


Don't trust the mother of your child, need a prenup?

自分の子供の母親も信じられないってマジかよ、婚前契約でもしたら?


A billion streams, but can't sell an arena?

10億回再生、でもアリーナも埋められないのか?


Nah, I couldn't be y'all

いやー、お前らみたいにはなれない


Stadium lights, my name in bright neon (Oh)

スタジアムの照明がついて、俺の名前がネオンで輝く


Fuckin' up these hoes, I'ma FAFO

こんなアバズレはぶちのめす、俺に怒らせたら知らないぞ


[解説]

"Bonfire"を思わせるような攻撃的な歌い方でいいですね、昔の彼を取り戻している感じがします。


"FAFO"は"Fuck around and find out"の略で、「余計なことをすればわかることになるだろう」という意味になっています。


Fake cat, I'm a nickel late from this cash flow

フェイク野郎め、俺は金の流れからちょっぴり後れを取ってる


If you ain't really wanna know the truth, what you ask for?

本当に真実が知りたいんじゃないんなら、何を聞くことがある?


Gassed up, we gon' fuck em up like I'm Tay Keith (Oh)

燃料満タンだ、テイキ―スみたいにやっちまおう


Keith Lee, y'all ain't got no taste, y'all should eat free, kids play (Yeah)

ケイトリーだな、お前らは良さも分からないのにただで食えて当然と思ってる、おままごとか?


[解説]

"Tay Keith"はアメリカのプロデューサーで"Tay Keith, fuck these niggas up!"というタグで有名です。


"Keith Lee"は食べ物のレビューを行うTiktokerで、それになぞらえて次々と新たな音楽を要求し、評論家を気取るファンに言及しています。




It's a different day, I'm a different beast, 'nough said

日が変われば違う獣になる、十分言ったはずだ


You done made your bed, we got different sheets

自分の寝床を作ったみたいだけど、俺らは違う席をもう用意した


I done been straight, y'all seem nappy though (Oh)

俺はまっすぐ突き進んで来た、お前らは回り道したみたいだけどな


Big house, big bank but is you happy though? (Is you ha-)

でかい家、銀行口座には金がたくさん。でも幸せじゃないんだろ?


Yeah, is you happy though? (Is you ha-)

そうだ、お前は幸せじゃないのかよ?


[解説]

彼のスタイルはかなりクリエイティブであり、それゆえ真似をしようとするアーティストも多かったはずです。彼は実際かなり幅広い音楽性を持ち合わせているので、真似するのはやめておけよ、というメッセージなんでしょう。


I might be on one

俺もその一人なのかもな


I just bought some acres off of fruit funds (Oh)

フルーツのファンドから何エーカーか買ったんだ


Thrummin' k's   

kをかきならす(k'sの詳細求む)


Momma thought that I would holdin' coupons

ママは俺がクーポンを持ってるとでも思ってたみたいだ


Erewhon water in my see through

エレウォンの水を見透かす


If I bring my nigga to the table, he gon' eat too (Yeah)

俺が仲間をテーブルに連れてきたら、奴もきっと食べだす


Niggas tight like it's me too

こいつらは俺みたいにイカしてる


And I just got my switch back

俺はスイッチを切り返した


Activate my core like a six pack

シックスパックみたいに俺のコアを起動だ


[解説]

"Erewhon"はアメリカの高級スーパーの名前で、日本でいうところの成城石井みたいなものでしょうか。彼は自身のGilgaというプロジェクトについて、文化に対するエレウォンのようなものにしたいと述べていたようです。


"gon' eat"のところは、彼のヒット曲である"IV. Sweatpants"で用いられている印象的なフレーズである、"Are you eatin' though?"というものから来ています。これは単に食べるという意味ではなく、充実した生活を送るという意味があります。




Niggas late, I done been that

あいつら遅れてるよ、俺がもうやったそんなこと


Buzzer beater like a free throw (Yeah)

フリースロウみたいにブザービートを決めちゃう


Got my shorts, but my knees old (Yeah)

自分の映画もある、でももう膝がきしむよ


Niggas cappin' like a keystroke

やつらタイピングするみたいに嘘つくな


Yeah, everybody go

よし、皆行くぞ


[解説]

"cappin'"は嘘をつくという意味のスラングですが、キーボードの一つ一つのスイッチのことをキャップと言います。ネット上で嘘をついているという含意もあるでしょう。


[Chorus]

La, la, la, la


Put your hands up high

手を高く上げるんだ


La, la, la, la


In the sky for me

空に、俺のために


La, la, la, la


Put your hands up high

手を高く上げるんだ


La, la, la, la


In the sky for me

空に、俺のために


You don't gotta worry 'bout me no more

俺のことはもう心配しなくていいぞ


You don't gotta worry 'bout me no more

俺のことはもう心配しないだろうな

彼の復活を予期させる一曲でした。確かにその通り彼は今までにないような力の入れ方で映画や音楽、ライブといった様々なコンテンツに取り組んでいます。これで終わりにしてしまうためなのでしょうか。


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