【和訳・解説】"Atavista" - Childish Gambino|Atavista
- T.Y
- 2024年5月13日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年7月12日
Childish Gambinoの最新作"Atavista"から一曲目、アルバム名と同じタイトルを関するAtavista
を紹介します。
※解説には私自身の解釈が含まれます。和訳のみを求めている方はタブを閉じてごらんください。
[Refrain]
You think I'm crazy, but I'm higher all the time
This life is something that is more than a lie
And every day I wake, my life is on the line
You know I've got to keep on moving, yeah
[和訳]
俺が狂ってると思ってんだろう、でも常に俺が上回ってる
この人生は嘘なんかじゃ片づけられない何かだ
毎日朝起きると、崖っぷちの人生なんだ
俺が動き続けるって知ってるよな
[解説]
Childish Gambinoの立ち振る舞いは、多くのファンにとってあまり合理的と言えるものではありませんでした。特に最後のアルバムである"3.15.20"のリリース後、Childish Gambinoは姿を現さず、Donald Gloverとしての活動(いわゆるside quest)が主となっていました。
また彼は狂気を孕んだパフォーマンスでよく知られています。その期待を上回ることなのか、自分がもっと狂ったやつだということなのか、いろいろなとらえ方ができそうです。
(これ見てみてください)
"life is on the line"は意味がとりにくいですが、"keep on moving"と合わせて考えると崖っぷちに立たされている→常に動き続けなければいけないような状況と考えることができますね。彼のクリエイティビティはとどまるところを知らないのでしょう。
[Verse 1]
There are beasts untamed
Who will eat the young
And you'll become the same
If you stay too long
[和訳]
野蛮な獣たち
誰が若者を食らってしまうだろうか
君もそうなってしまうんだよ
長くとどまり続けるとね
[解説]
"eat the young"は性的な意味も孕んでいるかもしれませんが、ここでは若者の可能性を潰してしまう、というのが正しいと思われます。
Childish Gambinoのように動き続けていないと、時代の変化に対応できずいつの間にか可能性を秘めた若者を忌み嫌うようになってしまうという感じでしょうか。
[Chorus]
If the drug is faint
Then the high is low
Atavista, atavista
Atavista
[和訳]
クスリが切れてくると
高ぶった心も落ち込んでしまう
Atavista, Atavista, Atavista
[解説]
ここで"the drug"はただ単に薬物のことを意味しているとも考えられますが、ここまでの表現を鑑みるとChildish Gambinoの持つ「狂気」であったり、創造性であったりを当てはめる方が自然なように思われます。
このアルバムの重要なキーワード(というかタイトルだしね)である"Atavista"は、原始的、先祖的なものへの回帰という意味である"atavistic"という単語から作られた造語であるとされています。Childish Gambinoは、この人間の原初的な部分をとても大事にしていて、これまでも多くの作品のなかでこれをテーマにしてきました。
彼のアルバムである"Kauai"に収録されている"Late Night In Kauai"であったり、彼が脚本を手掛けたシリーズである"swarm"の劇中歌などを聞いていただけるとわかりやすいと思います。
[Refrain]
You think I'm crazy, but I'm higher all the time
This life is something that is more than a lie
And every day I wake, my life is on the line
You know I've got to keep on moving, yeah
※繰り返し
[Verse 2]
The game we play ain't fair, but play it, do we dare?
But people do they care? 'Bout what's happening?
Now you can have your cake if it's all you need
And what can you do? There are mouths to feed
[和訳]
俺たちがやってるゲームはフェアじゃない、でもするんだ、勇気はあるか?
でも皆は気にしているだろうか、何が起こっているのかを
それだけでいいっていうならケーキを持たせてあげるよ
それで何ができるんだ?その口に餌をやらないとな
[解説]
フェアでない"The game"と聞くと、マネーゲームや資本主義のことが思い浮かびます。そしてChildish Gambinoから見て、周りの人々は自分たちがそうした理不尽な状況にいることを気にも留めていないように見えるようです。
"have your cake"に類似する熟語表現として、"have your cake and eat it too"というものがあります。直訳すると、「ケーキを持ってそれを食べる」という意味になりますが、同時にはできないことをやろうとする、という意味があるようです。
"if it's all you need"というところから、欲張って色々なことをしようとするより、一つのことを片付けるべきだというメッセージがあると考えられます。
(勘ぐりすぎかもしれませんが、、)
"mouths to feed"はケーキのラインから連続しており、鳥のひなが口を開けている様子を想像させます。Childish Gambinoはよく父性や母性について触れるので、これもその一貫かもしれません。
[Chorus]
And it's not insane
If we all believe
Atavista, atavista
Atavista
[和訳]
けして狂ったことでもないんだよ
俺らが皆信じれば
Atavista, Atavista, Atavista
[解説]
皆がAtavistaの再来を信じればそれも不可能ではないということですね。
これで一曲目 "Atavista" は終わりです。次は一転変わってハードなサウンドの "Algorythm"に続いていきます。

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